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OCDとは?

OCDとは?

OCDの原因

セロトニン仮説

どのような原因から、人はOCDを発症するのでしょう。原因については、まだ正確にはわかっていないのが現状です。

しかし、最近の研究から、OCDは、脳内の神経伝達物質の一つであるセロトニンの代謝に関係があるということがわかってきました。

脳のなかでは、多くの神経細胞が接続しながら情報を伝達しています。その接続部分をシナプスといい、そこにはわずかな隙間があります。そこで情報を伝達する物質が神経伝達物質であり、その一つがセロトニンです。

シナプスには、神経細胞から放出され自由に活動できるフリーセロトニンが存在しますが、OCDの患者さんはこのフリーセロトニンの量が少ないのではないかと考えられています。

OCDに有効な薬に選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)があります。この薬はセロトニンだけに作用し、脳内で神経伝達に使われるセロトニンが減らないようにすると考えられています。つまり、セロトニンだけに作用する薬がOCDに対して効果があるというところから、脳内のセロトニンの働きが悪いのが、OCDの原因ではないかと考えられるのです。

ほかにも、多くの臨床研究で、OCDはセロトニンがうまく働かないことが影響した疾患であるということが示唆されてきています。

脳の画像研究からわかってきたこと

PET(ポジトロン断層法)やSPECT(単一光子放射断層撮影)を使った脳の画像研究から、OCDの発現には、大脳の前頭葉皮質から基底核、視床への回路の機能異常が関係している可能性が示唆されています。

症状があるときには脳の特定の部位の糖代謝が異常に高まったり、血流量が増えたりすることから、OCDでは、神経回路の機能に異常がみられるととらえる報告もあります。脳の機能については現在、詳細な仕組みの解明が進んでいます。


OCDの人では、前頭眼窩面、前部帯状回、尾状核などの部位が過剰にはたらきすぎていることがわかってきた。

OCDは遺伝する?

OCDに関する家族研究はこれまで多く行われており、そのうちのいくつかが、OCDの患者さんの親・兄弟にOCDの患者さんが多いことを報告しています。また、双子の場合、二卵性双生児よりも一卵性双生児のほうが、二人揃ってOCDを発症する率が高いという報告もあります。

このようにOCDでは、何らかの家族性や遺伝的な要因が発症にかかわると考えられますが、一方で、それはほかの精神疾患と同様で、遺伝的な要因だけではなく、成長していく過程で加わった環境要因が相互的に作用して、発症にかかわるのではないかと考えられています。

◆参考文献:『エキスパートによる強迫性障害(OCD)治療ブック』編集代表・上島国利/編集協力・OCD研究会/星和書店2010