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OCDコラム

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OCD支援団体・自助グループの活動状況


強迫症/強迫性障害(OCD)の支援団体、自助グループは、全国各地にあります。そのような団体のいくつかに、活動内容などについての質問を送り、ご回答いただきました。今回のコラムではその回答書をもとに、OCDの支援団体、自助グループのいまをご紹介します。

調査と掲載について
各団体に質問票を送り、ご回答いただけた団体のみを掲載しました。回答は、主旨を変えない範囲で一部修正してあります。


回答をいただいた団体
1 北海道OCDの会
2 NPO法人OCD-Japan
3 OCDお話会
4 生泉会
5 東京OCDの会
6 静岡OCDの会
7 名古屋OCDの会
8 強迫友の会OBRI(オブリ)
9 広島OCDぼちぼち交流会



1 北海道OCDの会

1)回答者 北海道OCDの会 世話人
2)主な活動
札幌で、お話会(隔月)、家族会(不定期)、講演会を開催しています。開催情報をホームページとFacebookに掲載しています。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
ほかの当事者や家族の話を聞くことで必要な情報を得られ、共感できる仲間がいることで前向きになれます。
お話会では自分の問題を自分で解決するための気づきを促し、各自の成長や回復へつなげることを大切にしています。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
OCDに精通した医師、治療者、公共機関での相談者が少ない。OCDへの社会全般の認知が広がることが必要。
5)参加を考えている人へのメッセージ
お話会に参加することを改善への第一歩として勇気を出して参加してください。
同じ苦しみを抱える仲間と共に、前に進むきっかけをつかんでほしいと思います。

2 NPO法人OCD-Japan

1)回答者 団体として回答
2)主な活動
医療従事者向け強迫性障害研修、当事者とその家族を対象とした研修会や交流会、ホームページとTwitterを通したOCDの啓蒙活動、国際強迫性障害財団(米国)と連携してイベント(6月:OCD Walk、10月:OCD Awareness Week)を開催しています。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
メリットは、ほかの当事者、家族の体験談が聞けること、ほかの治療者や研究者と繋がり、話ができること、国際強迫性障害財団との提携で最新情報を得られることです。
心がけていることは、参加して何かを得たと感じてもらえることと、治療のためのネットワークを作ってもらえることです。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
家族のための相談先、OCDにくわしい治療者、集中して曝露反応妨害法に取り組むことができる居住型施設。
5)参加を考えている人へのメッセージ
一緒にOCDをやっつけてあなたの人生を取り戻しましょう。小さな一歩から!

3 OCDお話会

1)回答者 世話人 有園
2)主な活動
東京都三鷹市で、OCDについての体験談と心理教育を行っています。月によってテーマが異なり、症状が改善した人に体験談を聞く会、家族の対応を考える会などを開催しています。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
実際に体験した人の話を聞くことで、インターネットや書籍では得られない体験をすることができます。
専門家を交え、正しい情報を伝えることと、参加者に会のルールを守っていただくことで、トラブルや不快な思いをせずに参加できるよう心がけています。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
OCD、ひきこもり、不登校にくわしい専門家、医療・保健機関と当事者とをつなぐ地域でのネットワークとアウトリーチ事業。
5)参加を考えている人へのメッセージ
予約制ですので、ホームページの申し込み方法の事項を書いてメールで申し込みください。

4 生泉会(せいせんかい、NPO法人「生活の発見会」の強迫神経症グループ)

1)回答者 世話人:藤田嘉信
2)主な活動
東京で、年4回(3、6、9、12月)の定例会を開催。医師や臨床心理士などの専門家はいませんが、参加者が近況や自分の悩みについて話し合います。発言の強要はありません。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
少人数の症状タイプ別(確認、観念、不潔)に分かれた分科会に参加することで、共感が得られ、OCDへの対処法のヒントが得られます。会員歴30年以上のベテラン会員が多いので、豊富な体験を聴くことができます。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
当事者でなくては分からないことがあると思うので、われわれの体験を、医師などの専門家に発信していきたいです。当事者が体験からつかんだ拙いOCDへの「対処法」ではありますが、まだ知らない方に知らせたいと思います。
5)参加を考えている人へのメッセージ
ご自分にフィットするOCDの対処法が見つかるかも。体験者の言葉は心に強く響くはずです。事前予約が必要ですので、生泉会のホームページ記載のメールアドレスかファックスで早めに連絡してください。

5 東京OCDの会

1)回答者 東京OCDの会 世話人会(当事者・家族のボランティアスタッフの合議体)
2)主な活動
東京で、月例会として、家族と当事者に分かれて「言いっぱなし・聞きっぱなし」のミーティングを開催しています。Webでの情報発信、家族・当事者が書き込めるWeb掲示板の設置。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
当事者・家族に向けて、より良い治療と生活のためのコミュニケーションの機会を計画することです。そのために、「言いっぱなし・聞きっぱなし」をとても大切に考えています。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
地方から東京の会まではるばる来られる方が多く、自助・支援グループが全国各地に展開される必要性を感じます。OCDの多様な病態・状態を理解できる医療者・支援者。
5)参加を考えている人へのメッセージ
東京OCDの会は、当事者・家族が、安全・安心に参加できる開かれた場であることを大切にしています。当事者のみ、家族のみで参加される方も大勢いらっしゃいます。変化の第一歩として、活用してみませんか。

6 静岡OCDの会

1)回答者 代表世話人 すいか
2)主な活動
静岡市内で月例会の開催、ホームページに開催情報を掲載。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
ご自身の体験談をありのままに話すことで考えや気持ちを整理できます。また、ほかの患者さんやご家族の体験談を聞くことで共感と気づきが得られます。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
OCDを対象とした行動療法や認知行動療法が可能な医師。対応法などを指導できるカウンセラー。ご家族のための相談先。
5)参加を考えている人へのメッセージ
月例会では、入会や予約の必要はありませんので、ご都合の良いとき、気が向くときにお気軽にご参加ください。

7 名古屋OCDの会

1)回答者 世話人 河合
2)主な活動
名古屋での月例会の開催。熊本にあるOCDの会が主体となって行う市民フォーラムと研修会のサポート。HPの管理(情報公開用)。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
月例会で心がけていることは、言いっぱなし聞きっぱなしです。誰かの発言に対して、他の人がアドバイスをすることはしません。人に話をすることで、また人の話を聞くことで、自分の中で改善のヒントを見つけるというのが月例会の趣旨です。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
OCDを専門に診ることができる医療機関のリスト。
5)参加を考えている人へのメッセージ
月例会でのご予約は一切不要です。お気軽にふらっとお立ち寄りください。自分と同じ症状の方とお話することは、非常に心の支えとなります。ご参加お待ちしております。

8 強迫友の会OBRI(オブリ)

1)回答者 代表 きんもくせい
2)主な活動
毎月の交流会(京都・大阪)、講座の開催、ホームページに日程と情報を掲載。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
孤立しがちな当事者、家族が出会い体験をわかち合い情報を交換できます。支援職も参加できます。OCDは症状の内容や治療も多様なため、自分の話を持ちより、断言や批判をしないルールで、全員平等を心がけています。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
有効な治療が、近くで保険診療として受けられること。OCDに関連した課題(不登校・ひきこもり、発達課題、巻き込みによる家族機能、学業・就労、生活能力、親亡き後の経済問題)を医療と共に支える地域チーム。
5)参加を考えている人へのメッセージ
本人も周囲の家族も、かけがえのない自分の人生です。あなたは一人ではありません、同様の体験者がいますよ。今のありのままをもって、参加することからはじめてください。

9 広島OCDぼちぼち交流会

1)回答者 世話人 吉見伊織
2)主な活動
広島での月例会の開催。
3)会に参加することのメリット・運営で心がけていること
家族が当事者を支援した内容を話し合うので、聞いた内容が自分の家族の支援に役立ち、家族(支援者)のストレス解消にもなります。また、話し合った内容をマニュアルにまとめているので、それを見て支援することができます。
4)地域で不足しているもの、もしくは望むこと
発達障害をもち二次的にOCDを発症した人に、専門的な診療ができる医師が少ない。
5)参加を考えている人へのメッセージ
ノーベル賞の受賞者を見ていると、こだわりの強い人が多いです。こだわることが悪いのではなく、こだわって前に進めなくなることが問題だと思います。


§事務局のまとめ
9つの団体からご回答いただきました。そこから、次のような傾向がみられます。

いずれの会でも、当事者が参加し、コミュニケーションをすることを大切にしていることが伺えます。
OCDは、個々の患者さんが抱えている症状の内容、併存疾患、状況が多様であるため、より専門的な相談、対応ができる専門家が求められています。
月例会などへの参加する場合は、事前の予約が必要な会と必要のない会とがあるので、参加を検討したらホームページ等で確認する必要があります。

今回の調査にご協力いただいた団体の皆様に感謝いたします。各団体の名称をクリックすると、それぞれの会のホームページが開きます。ご関心がある方、月例会や交流会の開催場所や日時を知りたい方は、そちらをご覧ください。

また、今回のコラムで掲載した団体以外にもOCDに関連した団体はありますので、インターネットで検索していただければと思います。