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「精神障害者保健福祉手帳」を持っていれば
さまざまな福祉サービスが受けられます。


今回は、直接的に医療費を軽減してくれる制度ではありませんが、治療中の生活をさまざまな面から経済的にサポートしてくれる福祉制度、「精神障害者保健福祉手帳」について紹介します。長期の治療が予想されるなら、安心して治療を続けるためにはぜひとも知っておきたい制度です。

目や耳が不自由だったり身体に障害がある方々には、身体障害者福祉制度があり、等級別に認定されると税が優遇され、自治体によって公共交通機関の利用が無料になるなど、さまざまな福祉サービスを受けることができます。そのとき、本人が認定されたことの証明になるのが「身体障害者手帳」です。

腎臓病、リウマチなどの慢性病のために生活が不自由になった方々も、この制度の対象になります。ところが、こころの慢性病で悩んでいる人たちには、長くこうした福祉制度がありませんでした。こころの病気で生活に支障が出た人のために障害者福祉制度ができたのは、1995年のことです。

対象は「精神疾患を有する者で、精神障害のため長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある者」となっています。等級別は下記のとおりです。
1級:入院中、または他人の援助なしに日常生活を送ることができない者
2級:日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度の者
3級:日常生活または社会生活が制限を受けるか、制限を加えることを必要とする程度の者、一般の事業所に就職できる人も含まれる。一人で日常生活ができるがストレスがかかると不安定になる人(厚生労働省「障害等級の基本的な考え方」より)

手帳の申請には、医師の診断書が必要です。ただし、、初診から6カ月目以降経過したものでなければなりません。診断書を書いてもらうには費用がかかりますが、これも自治体によっては助成してくれます。

有効期間は2年間ですが、症状が改善されて生活上の障害がなくなれば、打ち切ることもできます。いろいろな福祉サービスを受けてお金の負担を軽くすることは、治療に専念するためにとても大切なことですね。

一番うれしいのは、手帳を持っていれば、通院医療費公費負担制度の申請のときに、診断書が不要になることです。長期の治療生活を送るのであれば、ぜひこの2つの制度を活用しましょう。そのほか、こんな福祉サービスが受けられます。

地方自治体による福祉サービス
公営・民営の交通機関の割引や無料化
無料タクシー券の配布
福祉バスや福祉タクシーが利用できる
公営住宅の家賃の減免や優先入居
公共施設利用料の減免や無料化
医療費の無料化、通院医療費の助成
上下水道料金の減免
観光施設などの利用料割引
税制面のサービス
所得税の控除・加算
利子所得の非課税
住民税の一部非課税
相続税の控除
贈与税の一部非課税
自動車税の非課税
その他
生活保護の障害者加算
厚生労働省「精神障害者社会適応訓練事業」の就労援助サービス

注意したいのは、日本の福祉制度は申請主義で、本人が申請しなければ、その恩恵にあずかれないようになっていることです。何年もたってから「あのとき知ってさえいれば」と悔しい思いをするようなことにはなりたくないですね。自分の症状の程度や治療の見通しについて主治医にきちんと相談し、生活基盤を確かなものにして治療に望みたいものです。